簡単に分かる良いスーツの見分け方
おはようございます。
仕立屋 志スーツの篠田です。
皆さんは普段どこでスーツを購入されていますか?
当店のようなテーラーや百貨店でお仕立て、セレクトショップやブランドショップの既製品、量販店など・・・用途や興味によって様々でしょうね。
高額なオーダースーツだけでなく、世の中には大量のスーツが販売されていますので一概に何を買えば良いか分からないなんて方も多いのではないでしょうか。
今日はそんなスーツを購入する際、
簡単に分かるいいスーツの見分け方
をご紹介します。
芯地
まずいいスーツは型崩れしにくく、着用を重ねていく内に体へのフィット感が良くなり馴染んでいきます。
これは当店でも基本使用しているホースヘアーなど尻尾を利用する毛芯を使用しているからです。動物の毛芯を使用する理由は、スーツ生地そのものが元々は羊毛やカシミアなどの動物素材なので素材同士の相性がいいためです。
反対に接着芯という芯もあり、こちらは毛芯に比べて安価で手間もかからないので低価格なスーツに用いられることが多くあります。
クリーニングなどで スーツの内部で剥がれおちてしまい、スーツの型崩れや縮みの原因となってしまいます。そのため、長期間着つずけることができなくなってしまいます。
■接着芯のデメリット:雨の日に濡れてしまった場合に剥離現象というのが起きること。
■接着芯メリット:極端に薄い夏生地の場合、使用するとパリッとした服を作ることができる。
※接着芯の剥離現象
ヒゲ処理
衿を折り返した時、表地が裏側へ返してあるかどうか。
この箇所のことを〝ヒゲ〟と呼び、ジャケットの衿の大きさを変えるためにあるとされていますが、実際に大きさを変えるような機会はまずありません。
大量生産しているスーツにこの見えない場所に手間とコストを掛けることはしません、いいスーツはこういった見えない場所への縫製にもこだわっているということです
※ヒゲ処理
袖の落ち方
ハンガーに吊るした状態で正面から見ることができたら、袖の落ち方を見てください。まっすぐにストンと落ちているものより、前方に少しカーブしているほうが良いスーツです。
これは当たり前のことなのですが、人間は前に動くからで、前に自分が押し出されるような作りを意味します。
よくハンガーに掛けた状態がキレイに見える既製品がありますが、本当にいいスーツはハンガーよりも実際に着た際にキレイに見えるスーツです。
※肩と袖全体が前向きに付いています
いかがでしたでしょうか?
芯地は見えない場所なので確認は難しいですが、衿の裏や袖の落ち方は誰でも簡単に確認できる場所です。
細かく言えば他にもまだありますが、比較的簡単に確認できる部分をご紹介させていただきました。