オーダースーツはなぜ高価なのか?

こんにちは。

名古屋でオーダースーツ販売している仕立屋 志スーツの篠田です。

 

世の中には紳士服のお店が専門店や量販店も含めると無数にあり、そこに行けば一着19,800円や二着で29,800円など安価で購入できるスーツが山のようにあります。

激しい価格競争があり低価格でそれなりのスーツが買える時代に、

なぜ高価なスーツを販売する必要があるのか?

なぜオーダースーツは高価なのか?

どこが高級なのか?

仕立ては何が違うのか?

生地の違いでそこまで変わるのか?

などの疑問を持つことが多いと思います。

凄く初歩的な内容かもしれませんが、今日はそういった部分にフォーカスしてブログを書いてみようと思います。

 

生地

まずオーダースーツを作るのに必要な生地をお選びいただくポイントは大きく分けてみ3つあります。

①メーカー・・・イタリア系・英国系を中心に、ミルと呼ばれる自社生産メーカー、マーチャントと呼ばれる商社

②質感・・・基本は縦糸と横糸の織り方、使用している糸の本数(密度)にの差による打ち込み

③光沢感・・・染料時に使用する水が大きく影響し、イタリア生地の光沢感は日本では出せない光沢感です。

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仕立て

高級スーツは仕立てが良いと言われています。 では、この仕立てが良いってなに? 一言でいえば、スーツが出来上がるまでの工程が多く複雑であるということ。

そして、その中で最も重要なのが「毛芯」です。

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毛芯とは、ジャケットの前身頃の裏についており、既製品で販売されているほとんどのスーツは接着芯が使われています。

接着芯とは糊のようなもので、スーツ生地の裏にそのまま貼り付けます。日本では湿気が多いのでどうしても生地が水分を吸ってシワがでます。

接着芯を使うことで、無理やり生地と糊で固定するため、生地は伸び縮みがしにくくなるために、シワはできづらくなります。

しかし、高級スーツでは絶対に接着芯は使いません。 志スーツがお世話になっている国内縫製工場は総毛芯に固執しています。 とりわけソフト毛芯は、前肩胸部に本バス(馬の毛)を入れ、着心地の良さと胸部形態安定を図り、簡易仕立ての半毛芯は一切使用しませんので、既製スーツとは圧倒的な着心地の違いを感じていただける自信があります。

シーズンが終わったらリサイクルショップやオークションで転売してしまうようなスーツではなく、時間と手間そしてお金を掛けた高価なスーツを作り、長くお客様に愛用していただけることこそが私達が一番望む願いとも言えますね。

いかがでしたでしょうか?

少し専門的な内容もありましたが、オーダースーツが高価になる理由はご理解いただけたでしょうか?

逆に考えると、凄く安価なオーダースーツの場合は見えない仕立て部分でコストダウンをしているという事がお分かりになるかと思います。

極端に言えば、価格にこだわるかor質にこだわるか、お客様がどう着用したいかによってご利用になられるテーラーさんをお選びになると良いかと思います。

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。