スーツをオーダーする際に考えるべき素材

こんにちは。

名古屋でオーダースーツを販売している仕立屋 志スーツの篠田です。

スーツをオーダーしてくださるお客様との会話の中に、実際に着用される季節は必ず確認する点の一つです。特に現在のように仕上が時期が季節の変わり目に近付くにつれ、どのタイミングでご着用になりたいかによってご提案する素材が変わってきます。

本日のブログは、春夏・秋冬の季節に合わせた素材をご紹介させていただきます。

オーダースーツに限らず既製スーツをお選びになる参考になると思います。

1.春夏用生地

春夏の生地は、軽く、通気性が良い素材が使われることが多いです。天然素材は一番湿気が逃してくれるのですが、日本の高温多湿という環境に合わせて、近年は化学繊維を使用して仕立てているスーツもあります。

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モヘア

強いハリ・コシがあり、独特の光沢感が特徴の生地です。ウールと混合でスーツに使われることが多く、その一番の理由は熱伝導率が低いこと。またウールと混合することで、ウールとモヘアの糸の太さが違うため、その隙間に空気を取り込んで、通気性の良く、肌に設置している面が減ることで独特のシャリ感を感じる生地となります。

シアサッカー

シアサッカーは触れば違いが分かるほど、生地に凹凸があります。そのため、肌の接地面が少なく、涼しく快適に着用できます。少しカジュアルな生地にもなるのでジャケットに使用することをオススメします。

リネン

リネンは麻素材のことで夏の定番生地です。吸水性、発散性にとても優れ、ウールと混合してよく使用されます。デメリットは〝シワができやすい〟〝濃い色だと色落ちが目立ちやすい〟という点で懸念される人も多くいます。

コットン

生地で一番有名なコットンですが、やはりカジュアルになるので、セットアップスーツやジャケパンとして使用することをオススメします。

サマーウール

春夏に一番おすすめの生地です。ウールの糸を細く撚った生地です。シワにもなりにくく、通気性と清涼感が特徴の生地で暑い夏でもカチッとしたスーツに仕上がります。

 

2・秋冬生地

秋冬生地は、春夏とは違い空気を取り込んで保温する機能が必要になるため、生地の目は詰まっています。どちからというと秋冬の方がスーツの仕立てはしっかりします。それは生地自体に重みがあり、縫い目や着用した際に生地の重みで「ドレープ」という生地のたるみができます。私たちの体は曲線です。そのため、ドレープができる生地、仕立てのスーツが体にフィットしやすいスーツであることが言えます。

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フランネル

「フラノ」と呼ばれており、保温性が非常に高く、柔らかい肌触りが特徴です。糸が太く、密度が粗いため、その隙間に空気が入り保温します。志スーツでは秋冬用で一番需要が高い素材です。

ツイード

英国産の羊毛を使用した「ハリスツイード」が有名です。肌ざわりは少しざらざらしており、糸が太いため存在感があります。スーツで仕立てるというよりは、ジャケット単体もしくはジャケット&ジレのセットで使用するのがおススメです。

カシミア

細い糸で織られており、肌触りは柔らかく、独特の光沢感をもっている生地です。最大の特徴は軽いことです。さらに、保温性、保湿性に優れています。デメリットは長持ちしにくいのでスーツやジャケット用で仕立てる場合はウールと混合している生地をオススメします。

 

いかがでしょうか?

細かく言えばまだ他にもありますが、一般的にはこれ位を覚えておけば十分対応できるはずです。

オーダースーツの場合、受注から納品まで約1ヶ月必要です、常に1.2ヶ月先を見越してオーダーして頂けるとシーズンにマッチした装いをすることができます。

たくさんの生地からワクワクしながら仕上がりをイメージする楽しみ、それもオーダースーツの楽しみ方だと思います!