スーツとジャケットの根本的な違い
こんにちは!
トリプレッタの篠田です。
当店で作るオーダー服のスタイルは大きく分けて〝スーツスタイル〟と〝ジャケットスタイル〟の2つに分けられます。
最近は仕事でもスーツ未着用OKという会社も増えてきたこともあり、比較的ジャケットスタイルのオーダー率が高いのが当店の特徴でもあります。
あまりファッションに詳しくない方から聞かれることに、スーツのジャケットをジャケットスタイル用に併用することができるのか?という内容があります。
結論としてはNGなのですが違いや理由を知らない方も多いかと思いまして、本日はこの〝スーツ〟と〝ジャケット〟の違いをご紹介させていただきます。
是非、最後までお付き合いください。
違い1.着丈
まず一番の違いはジャケットの〝着丈〟に表れます。
スーツは重厚感・威厳・誠実さといった少し硬めの印象に重きをおくため、ジャケットの着丈はヒップを2/3は隠すくらいの長さが適しています。
ジャケットは、スポーティ感・軽快感・さわやかさといったカジュアルな印象に重きをおくため、着丈はスーツよりも1~3㎝程短く設定します。
違い2.ポケットの仕様
2つ目の違いは〝ポケットの仕様〟です。
スーツはフラップ(蓋)を付けていきますが、ジャケットはカジュアル感を増すパッチ(アウト)ポケット仕様にするタイプが多くなります。
カジュアルジャケットでもフラップ付きポケットを採用することもありますが、その場合はビジネスシーンでの着用をメインにお考えの方に適しています。
違い3.仕立て方法
3つ目の違いは〝仕立て方法〟です。
当店でジャケットオーダーの場合、ほとんどのお客様が〝アンコン仕立て〟を採用します。
スーツは着用時にカチッと感を出すので全体に芯地を入れて型崩れ防止をしていきます、しかしジャケットの場合は柔らかさ・軽さ・フィット感を出すため、芯地や肩パッドといった副資材を最小限にしていく特殊な仕立て方法を取り入れた方が着やすくなり印象も柔らかくなります。
違い4.生地
4つ目の違いは〝生地〟です。
一般的なスーツはウール100%のクリアカットでツヤ感ある生地で仕立てるのがほとんどですが、ジャケットは凹凸などの素材感がある生地の方がバランスが良くなります。
スーツ用のジャケットをジャケットスタイルで使えない理由の一番は、この根本的な生地の不一致が挙げられるからです。
いかがでしたか?
ご自身は〝スーツスタイル派orジャケットスタイル派〟ですか?
両方とも着用される方は大体ご理解いただけているかと思いますが、
今までジャケットスタイルを取り入れていない方にとっては、どうしてスーツをジャケットに使用できないのかという理由がお分かりいただけたかと思います。
ビジネスシーンでもカジュアル志向が強くなってきているため、ジャケットスタイル=お洒落な人という印象にもなりますが、
大切なのは〝どういったシーンで着用するのかという目的〟にあります。
もっと極端な意見で言えば、今日誰と会うかによってスタイルを変えていくことが望ましいかを考えていけば、相手に合わせた服装を意図的に作り出すことが可能です。
ビジネスマンにとってのお洒落は自分のためではなく〝相手のため〟。
相手に好印象を持っていただけるような服装が心がけることで、仕事の成果も変わってくるはずです。
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。