『儲』という字を考える
こんにちは!
トリプレッタの篠田です。
本や歴史を学んでいると物事の由来や成り立ちで勉強できることがよくあります。
例えば日常生活に馴染みのある漢字もとても興味深いです。
物事の由来
先日あった中秋の名月、家中の電気を消して差し込む月明かりで団子を食べるという風習があります。
この『明』という字の成り立ち、太陽を表す「日」とお月様を表す「月」を組み合わせて『明』。
なんとなくこんなイメージがしていましたが実際は違いました。
もともとは「朙(めい)」と書かれていて左側の「冏」は部屋の窓を表しこれに「月」と組み合わせて、月の光が窓から差し込んで明るく照らす様子を表したのが『明』の字の由来だということでした。
何百年、いや何千年も前に作られた漢字も先人たちが大切にしてきた習慣が漢字の原型になっていると思うと本当に面白いです。
お笑い芸人のゴルゴ松本さんも漢字の成り立ちを使って、少年院などで〝命の授業〟(クリックで動画再生)をやっています。
漢字一つ本当の意味を知ることで、人の心は動かされ、時には驚き、時には感動で涙する、とても素晴らしい活動だと思い、私も何度もYouTubeで視聴させていただきました。
『儲』という字の由来
前置きが長くなりましたが、本日のテーマ『儲』という字の由来です。
商売をしていると誰でも〝儲けたい〟と思うのが普通です。
ではどうしてこの漢字になったのでしょう?
字を分けるとこうなります。
『信』+『者』=儲
商売には売り手と買い手が必ず存在します。
売り手は買い手に信じてもらい信用をいただかないと成り立ちません。
滋賀県の近江商人は
『売って良し、買って良し、世間良し』という〝三方良し〟とも言っています。
自分(自社)を信じてくれる者(人) → 信者 → 自分(自社)のファン
よく営業マンは商品ではなく、先に自分自身を売り込め、と言われていることとニュアンスは同じです。
要は自分(自社)のことを相手が気に入ってくれることが先で、売上・利益はその後。
〝結果的に儲かっている〟という流れだということ。
経営の神様「松下幸之助」さんが提唱する〝たらいの法則〟も意味は同じです。
たらいの水を自分の方へ利己的にかき寄せると水は側面を伝って反対側に流れ、
逆に利他的に向こう側に押し出すと側面を伝って自分の元にやってくるという内容と同じこと。
まずは自分ではなく相手に喜んでもらう、相手のために尽くす(行動する)ことが先。
売上や利益を追うのではなく、自分を信じてくれる(ファンになってくれる)ような人間性・人格を追うことが大事なんだと思います。
昔の人は本当に凄いですね!
漢字一つの成り立ちが現代でも通用しています。